
Qwen3.8-Flash-NextをStrataで動かし、OpenCodeに3つ作らせてみた
Qwen3.8-Flash-NextをStrataで動かし、OpenCodeに3つ作らせてみた
RTX 4090 1枚のWindows PCで、125B MoEのオープンモデル「Qwen3.8-Flash-Next」をStrata経由で動かし、OpenCodeの実装エージェントとして使ってみました。
試したのは、Three.jsの3Dゲーム、実用寄りのWebアプリ、30秒のモーショングラフィックの3本です。先に結論を書くと、ゲームとWebアプリは成功。動画は生成までできたものの、画のクオリティはまだまだでした。
これは厳密なベンチマークではなく、かなり主観的な実作業テストです。
実行環境
| 項目 | 構成 |
|---|---|
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 4090 24GB |
| CPU | Intel Core i7-13700K(16コア / 24スレッド) |
| RAM | 64GB |
| OS | Windows 11 Pro |
| 推論 | Strata v0.1.40.2 / Qwen3.8-Flash-Next IQ2_XS |
| コンテキスト | 262,144トークン |
| コーディングエージェント | OpenCode v1.17.13 |
モデル本体は約70GB。4090では短い応答が約86〜108 tok/s、32K〜128Kの長いプロンプトでも約4,400〜5,000 tok/sで読み込めました。255Kトークンも実際に処理できています。
ただし、最大の制約はVRAMよりRAMでした。Strataが大きくメモリを使うため、Docker、Next.jsのビルド、Playwrightなどを同じ64GBマシンで同時に動かすとかなり苦しくなります。開発も本気で並行するなら、96GB以上、あるいは推論用PCと開発用PCを分けるのが現実的だと思います。
1. Three.jsで3Dゲーム:成功
最初は、Three.jsで3×3×3の「3D版ライツアウト」を作らせました。ネオン、ブルーム、効果音、日英UI、Undo、レベルクリア演出まで含めて、プロンプトは1回だけです。




技術スタックはHTML 1ファイルとThree.js。描画、ポストプロセス、Web Audio、マウス操作をすべてまとめた559行の実装です。約31,000トークンを生成し、所要時間は約5分でした。
ヘッドレスChromeで確認したところ、JavaScriptエラーは0件。クリック、視点回転、クリアまで実際に動きました。
失敗は1点。レベル生成時とリセット時で盤面の作り方が食い違うバグがありました。ただし、この3×3×3盤面は数学的にはどの配置でも解けるため、ゲーム自体が詰むことはありません。
- 主観的な成功率:90%
- かかった時間:約5分
- 評価:一発生成としてはかなり良い。見た目も動作も十分に「作品」になっている
2. そこそこ機能のあるWebアプリ:成功
次は、スタジオの予約管理コンソール「ORBIT」です。単なるダッシュボードではなく、12画面、約5,700行のNext.jsアプリを作らせました。




技術スタックはNext.js 16.4(App Router / TypeScript)、Tailwind CSS、Prisma 6.19、SQLite、recharts、date-fns、zod、jose、bcryptjs。ログイン、月・週・日カレンダー、予約管理、顧客、ルーム、スタッフ、請求書、レポート、設定まで実装しています。
初回の自律開発は62分。ただし37分は終了しないスモークテストで止まっていたので、LLMが実際に作業していた時間は約25分です。12画面は開始から26分で揃いました。初回開発だけで15.7万トークンを生成しています。
最終検証はE2E 25項目中24項目がPASS。TypeScript、ビルド、Lint、スモークテストも通りました。修正依頼8項目のうち7項目を直せています。
一方で、初回にはLintエラーが残っているのに「全条件パス」と自己申告しました。また、スマホ表示の横スクロールが1箇所残っています。自己申告をそのまま信用せず、別のテスト担当を置く必要はあります。
もうひとつの失敗はPostgreSQL + Docker構成です。64GB RAMではStrataとDockerとビルドを同時に回す余裕がなく、最終的にSQLiteへ切り替えました。エージェントもメモリ不足で2回強制終了されています。
- 主観的な成功率:95%
- かかった時間:約62分(実作業は約25分)+修正約30分
- 評価:少なくとも、一般的なWebアプリは一通り作れそう
3. モーショングラフィック動画:生成は成功、品質はまだまだ
最後は、音楽に同期する30秒の4Kモーショングラフィック「STRATA // SIGNAL」です。




技術スタックはPython、Skia、NumPy、SciPy、Pillow、FFmpeg。映像だけでなく、128 BPM・16小節のアルゴリズム音楽もコードで生成しています。完成ファイルは3840×2160、30fps、900フレーム、30.000秒。音声はステレオ48kHz、-14 LUFSです。
開始から4K完成まで約1時間半。途中には、32K出力上限まで同じ思考を繰り返したセッション、OpenCodeが起動後13分止まったセッション、最終レンダリング中のメモリ不足終了がありました。4Kレンダリング自体は約11分半です。
動画ファイルとしては成立しています。ただ、指定したはずのネオンリングやストリークが4Kではほとんど見えず、全体に暗い。粒状ノイズが強く、シーン変化も弱く、映像とビートの同期も分かりにくい状態でした。30秒・4K・音声付きまで自力で持っていけた点は評価できますが、クリエイティブ品質は合格とは言いづらいです。
- 主観的な成功率:50%
- かかった時間:約1時間半
- 評価:生成パイプラインは作れる。ただし、画作りは人間のレビューと複数回の修正が必要
まとめ:RTX 4090で動くオープンモデルとしては、たぶん今までで最強
超主観ですが、RTX 4090で動かせるオープンソースモデルとしては、Qwen3.8-Flash-Nextはたぶん今まで触った中で最強です。
特にWebアプリ開発は強い。仕様を渡せば、画面数の多いアプリを計画し、実装し、ビルドやテストまで一通り進められます。もちろん「できました」という自己申告は信用せず、独立した検証は必須です。それでも、ローカルモデルだけでここまでできるのは率直にすごい。
感覚的には、Opusが高くてまだ気軽に使えなかった時期のSonnet——バージョンは忘れましたが——くらいの実用感があります。ゲームもかなり良かった。一方で、モーショングラフィックのように、コードが動くことと作品として良いことの間に大きな距離があるタスクは、まだ要検証です。
そして、今回いちばん困ったのはモデルの知能ではなく64GBのRAMでした。
ローカルLLMも、本当に進化していますね。



